Skip to content Skip to sidebar Skip to footer

鉄分不足の対策と吸収を高める食事法

鉄分不足は疲れやすさやめまい、顔色の悪さにつながることがある。認可栄養士の胡嘉琪(こ・かき、Kayla)が鉄の供給源と吸収のコツを解説する。

鉄分不足の症状と鉄の生理作用

鉄は血液中で酸素を運ぶ。鉄は血紅素の構成要素であり、肺で取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割を担う。

鉄が不足すると赤血球は小さく薄くなり、酸素運搬能が落ちる。結果として疲労感、顔色不良、めまい、食欲不振などが起きやすくなる。

鉄は代謝や神経にも関与する。DNAの合成修復や神経伝達物質の生成に関わるため、慢性的な不足は集中力低下や情緒不安定を招くおそれがある。

また鉄は免疫機能にも寄与する。白血球の生成と働きを助けるため、欠乏時は感染に対する抵抗力が下がる可能性がある。

血紅素鉄と植物性の鉄の違い

血紅素鉄は動物性食品に多く含まれ、人体の血紅素と構造が近いため小腸で直接吸収されやすい。主な食材は赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉の赤身)、貝類や海産物(生ガキ、ハマグリ、ホタテ等)、家禽、魚類、内臓(豚レバー、血製品)である。

非血紅素鉄は植物性食品が中心で、直接は吸収されにくい。深緑葉野菜(ほうれん草、ケール、芥蘭)、大豆製品(豆腐、納豆、黒大豆)、全粒穀物、ナッツ、種子、強化シリアルなどが主な供給源である。

鉄分不足を改善する吸収アップの秘訣

ビタミンCを同時にとることで非血紅素鉄の吸収を高められる。ビタミンCは植物由来の鉄を還元して吸収しやすくするため、果物や野菜を鉄食材と一緒に摂ると効果的である。

代表的なビタミンC源はオレンジ、キウイ、グレープフルーツ、トマトなどだ。毎食に果物や野菜を一品添えるだけで吸収率は高まる。

一方で鉄の吸収を妨げる飲食物もある。濃いお茶、コーヒー、ココア、赤ワインはタンニンやポリフェノールにより鉄を包むため、食後1〜2時間は避けるのが望ましい。

カルシウムと鉄の関係と実践例

カルシウムを多く含む食品やサプリは鉄と同じ腸の吸収経路を共有するため、同時摂取は鉄の吸収を妨げる。牛乳、ヨーグルト、チーズ、カルシウム剤は高カルシウムとして区別し、食事の時間をずらすとよい。

例えば朝に牛乳を飲む場合は、昼・夕の高鉄食にカルシウム食品を加えない。あるいは鉄食を中心とする食事の前後2時間を目安にカルシウム摂取を避ける方法が現実的である。

貧血のサインと補給の基本ルール

軽度の鉄欠乏性貧血はまず食事での改善が可能である。鉄分不足の原因を把握し、摂取量や吸収法を見直すことが重要だ。

成人の目安摂取量は1日約18mgである。まずは吸収率の高い血紅素鉄を優先し、赤身肉や貝類を意識的に取り入れることを薦める。

ベジタリアンやビーガンの場合は、深緑葉野菜や大豆製品を常食とし、毎食でビタミンCを組み合わせると良い。濃茶やコーヒーの同時摂取を避け、カルシウムは時間を分けて摂取することを勧める。

参考・監修:胡嘉琪(こ・かき、Kayla) 認可栄養士、香港栄養師学会所属。所属は「家營營養中心」栄養師、英國諾桑比亞大学食品および栄養科学学士。個々の生活習慣に合わせた実践的な食事設計を得意とする。

EDITOR'S PICK編輯精選