蛙王は郭孟浩(かくもうこう / クォック・マンホー)として知られる香港の前衛芸術家だ。
蛙王は半世紀以上にわたり独自の表現を追求してきた。
本稿は彼の蛙林と地域での活動を現地取材で再構成する。
訪問当日は蛙王が全身の「青蛙装」で迎えてくれた。
八月の暑さの中、厚手の手袖や帽子、青蛙を模した眼飾りで出迎えた。
一日を通して博物館の案内や即興の実験芸術を披露した。
「私の表現は行為だけではない」
蛙王は幼少期から既成概念にとらわれなかった。
彼は自らを「青蛙王子」から発展した存在と位置づける。
蛙王の仮装や振る舞いは単なる目を引く演出ではないと語った。
1970年代末には北京の天安門でビニール袋を使った装置を行った記録がある。
当時の行為は中国で記録された初期のパフォーマンスの一つとされる。
だが蛙王はそれを単独のラベルに留めたくないと述べた。

彼は行為、彫刻、装置、絵画など多様な媒体で制作を続けてきた。
物や身体を「呼吸する生命体」とみなして作品化するのが彼の基本観だ。
蛙王は作品の背後にある概念に注目してほしいと話した。
発想と美学: 任次元と混統美学
蛙王は自身の美学を「任次元」と呼ぶ。
これはあらゆる形、量、媒体、意念で制作できるという考えだ。
蛙王は廃材や日用品を素材に変換する手法を好む。

作品は一見雑然としているが彼なりの秩序があるという。
この「混統美学」は異なるものを混ぜ合わせることで統一を生む。
観者の側にも既成概念を捨てることを促している。
長年続けるプロジェクトに「青蛙眼睛計画」がある。
参加者に彼の描いた青蛙眼鏡をかけてもらい撮影するものだ。
蛙王はそれを通じコミュニティの笑顔を引き出すと語った。
紙と水墨の新しい位相
取材当日、蛙王は牛潭尾(Ngau Tam Mei、香港新界の地区)にある制作拠点で即興を披露した。
彼は過去の作品を地面に投げ、墨を散らし、紙を空に放った。
最後に火で焼き、灰にする場面まで行った。

この一連の行為は破壊に見えて再構築を意味するという。
紙を空に放つことで「創意が空を飛ぶ」と表現した。
蛙王は毎回の実験に臨場性の価値を置いている。
彼は水墨を形式通りに扱うことを好まない。
既成の枠を壊すことで新たな水墨表現を探求してきた。
その姿勢が多くの実践を生んだ理由だと本人は言う。
師と伝承、地域への還元
蛙王にとって師の存在は大きい。
呂壽琨(りょじゅくん / ルイ・ショウクワン)の教えを深く受けたと語った。
蛙王は師の言葉を今も制作の栄養源としているという。

最近は元朗(ユンロン、香港新界の地域)で地域参加型の活動を続ける。
住民に青蛙眼鏡を配り、個別の称号や作品を贈るプロジェクトだ。
彼はこれを「無形の文化財産」の継承と位置づけている。
作品をギャラリーに留めず配る行為について問うとこう答えた。
商業的価値だけで測れない哲学的な価値があるという。
蛙王は創作の価値は金銭だけで決められないと語った。
蛙托邦とこれから

高齢になった今も蛙王は社地域と関わり続けている。
杖をつきながらも写真や墨を携えて外へ出る姿が印象的だ。
彼が目指すのは誰もが笑顔になる「蛙托邦」だという。
インタビューの最後、彼は自分をこう評した。
「快楽な青蛙でありたい。楽しければよい」と淡く笑った。
蛙王の精神は香港の土地に根を下ろし続けるだろう。

Executive Producer: Angus Mok
Producer: Vicky Wai
Editor: Ruby Yiu
Videography: Anson Chan, Andy Lee
Photography: Anson Chan
Video Editor: Anson Chan, Andy Lee
Designer: Tanna Cheng
Special Thanks: Frog King Kwok


