ディオール クルーズ 2027はロサンゼルス郡立美術館(LACMA)で発表された。Jonathan Andersonが手掛ける初の早春コレクションが、映画のような舞台演出で公開された。

会場はロサンゼルス郡立美術館(LACMA)。ショーは映画撮影現場を思わせる演出で統一され、夕暮れの光を計算して照明を合わせるなど時間軸まで演出に組み込まれた。

Diorとハリウッドの関係
Diorは映画との結びつきが深い。ブランドの創業以前から映画衣装に関わってきた歴史が、今回のコレクションにも反映されている。
原文によれば、ディオールは1942年に LeLit à Colonnes のために衣装を手掛けたとされる。1955年には TerminalStat on の衣装でアカデミー賞衣装部門の候補になったと伝えられる。

コレクションの主題と見どころ
ディオール クルーズ 2027は「Wilshire Boulevard」を主題に、20世紀中期のロサンゼルスのヴィジュアルを参照している。Jonathan Andersonはハリウッドの映像表現を衣装に重ねた。
デザインの要点は複数ある。Ed Ruschaとのコラボによるシャツ、Philip Treacyが再解釈したカスタムヘッドピース、Isabella Blowに由来する羽根文字飾り、細かなチェーン刺繍のデニム、車塗装風の塗装仕上げを施したサドルバッグの変奏などだ。


デザインのディテールと素材
コレクションには1949年のオートクチュール期の象徴的なコートの参照も含まれる。伝説的な女優マレーネ・ディートリヒが着用したと伝わる外套への言及が、コレクションの映画性を強めている。
花のモチーフも繰り返し登場する。加州の虞美人(カリフォルニアポピー)を思わせる図案が副歌のように配され、刺繍やレース、パッチワーク、珠毛織のコートなど多彩な素材で表現された。

ショー演出とロサンゼルスへのオマージュ
ショーは映画撮影を模した構成で進行した。開始時刻も夕暮れの光を狙って設定され、霧のかかったランウェイに日差しが差し込む瞬間を作り出した。
男性のルックも注目を集めた。スパンコールのスーツや、パジャマ風シャツにレザーを合わせたスタイリングなど、ロサンゼルスの多様なメンズスタイルを反映している。


参考と背景
Christian Diorが影響を受けたハリウッドの女優群は、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、マレーネ・ディートリヒ、オードリー・ヘプバーン、グレース・ケリー、マリリン・モンローらである。彼らのイメージはブランドの「夢」の概念に結び付けられてきた。



今回のディオール クルーズ 2027は、過去の映画的遺産を参照しつつ現代の感性で再構築した点が評価されるだろう。Jonathan Andersonの映像的な語り口が、ブランドの新たなフェーズを示している。


(取材・まとめ:ファッション担当)


